かつては子どもから社会人まで、季節のご挨拶として、贈答品を贈る文化が根付いていました。しかし現代では、日本人の多くが、贈答品はおろか、年賀状や暑中見舞いのハガキさえも出さなくなったそうです。ビジネスシーンにおいても、取引先とのお中元やお歳暮のやり取りも、老舗と呼ばれる会社に残る文化になりつつあります。
とはいえ、春先になってテレビや雑誌、SNSなどで話題になるのは、母の日や父の日の贈り物。百貨店やコンビニでも、鮮やかなギフトラッピングをされたお菓子などが売り場を彩るようになります。
今回は母の日や父の日の特集として、食にちなんだ贈り物がテーマです。おしゃれな食のギフトとして思い浮かぶ代表格が、ワインではないでしょうか。実は、数あるワインの中でも、2010年頃からブルガリアワインが世界的に注目を集めています。ワイン好きの人で、ブルガリアワインを聞いたことがない人はまずいないでしょう。ブルガリアに関係する食べ物と言えば、ヨーグルトが定番かもしれませんが、実はブルガリアは世界最古のワイン生産国の一つとしても知られているのです。
この記事を読んでいる人は
- ブルガリアワインはなぜ人気なの?
- ブルガリアワインは知っているけど、味にはどんな特徴があるの?
- ギフトとしてブルガリアワインを贈りたいから、どれぐらいの価格なのか知りたい
- ベッサ・ヴァレー・ワイナリーのワインの魅力を知りたい!
という疑問や悩みを抱えているのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ブルガリアワインの歴史や種類、ブルガリアワインを代表するワイナリーであるベッサ・ヴァレー・ワイナリーのワインについて紹介していきます。
たまには、季節の挨拶をきっかけに、家族や友人とブルガリアワインを楽しみながら過ごす時間を作っても楽しいかもしれません。
ブルガリアワインとは
ワインと言えばイタリアやフランスのイメージが強いかもしれませんが、ブルガリアはイタリアと同緯度に位置している国で、ワインを造るのに適した涼しい気候の国です。
ブルガリアのワイン事情として特筆すべきなのは、製造しているワインの種類の豊富さでしょう。ブルガリアは2000種にも及ぶ固有品種を抱えていると言われており、ピノノワールからは高品質なワインが数多く造られています。
国際品種として知られているカベルネソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランなども、もちろんブルガリアでも栽培されています。
ブルガリアワインの歴史
ブルガリアは世界最古のワイン生産国の一つで、その歴史は4,000年以上にも及ぶという説があります。
ブルガリア人の祖先とされるトラキア人と交流があったのが、紀元前1,000~800年にかけて発展していた古代ギリシャ文明の人々です。
古代ギリシャ人の記録や文献、カップなどの出土品によって、トラキア人は数千年も昔から、ワイン製造をしていたことが分かっています。
時代を経て、世界各国の流通網が発達したことにより、国際的に親しまれるワインの品種も増えていきました。実は日本とブルガリアワインの繋がりも決して浅くはありません。1970年代に日本で製造された国産ワインのおよそ7割が、ブルガリアワインを原料に用いていたとされています。
現在ではブルガリアでのワイン産業は生産量の7~8割が輸出されており、今もなお、世界中にブルガリアワインの美味しさを人々に届け続けているのです。
ブルガリアワインの種類
そもそも、ワインの種類は大きく分けて下記の3種類があります。
- 国際品種:世界各国で広く栽培されており、幅広く認知されている品種
- 固有品種:他国から伝わったものも含め、その後他の地域では栽培されず、特産品になった品種
- 土着品種:品種の発祥から地域に根付いて生産され続けている品種
固有品種と土着品種は解釈が曖昧な部分があるため、ワインの品種を振り分けると、同じ品種でも固有品種にカテゴリ分けされていたり、土着品種にカテゴリ分けされていたりすることがあります。
共通しているのは、古くから生産地に根付いて栽培されていることですが、固有品種と土着品種の境目には、ルーツが他国のものを含むか否かがだいたいの見解のようです。
ブルガリアワインを国際品種、固有品種、土着品種に分ける場合は、下記のイメージで良いでしょう。
- 国際品種:カベルネソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランなど
- 固有品種:マヴルッド、ルカツィテリなど
- 土着品種:ディミャット、メルニックなど
ブルガリアワインの主な産地と栽培されている品種
ブルガリアで製造されているワインは、土地の風土によって個性が変わるため、多種多様です。ブルガリアでは、主にワインの特産地は下記の5つのエリアに分かれます。
- ドナウ河平原
- ストゥルマ・ヴァレー
- ヴァラ・ヴァレー
- トラキア平野
- 黒海沿岸
ここでは、ブルガリアにおけるワインの名産地と、栽培されている品種について紹介していきます。
ドナウ河平原
ドナウ河平原は、ブルガリアの北部にあたる地域で、気候は大陸性気候です。
夏は涼しく過ごしやすい一方で、冬になると平均気温は-18℃にまで冷え込みます。
ドナウ河平原で栽培される固有品種のブドウは下記の通りです。
- マスカット・オットネル
- ガムザ
- パミド
ドナウ河平原で栽培される国際品種のブドウは下記の通りです。
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- メルロ
- シャルドネ
- ソーヴィニヨン・プラン
- リースリング
ストゥルマ・ヴァレー
ストゥルマ・ヴァレーは、ブルガリア南西部のストゥルマ渓谷流域に位置する地区で、穏やかな気候です。
ストゥルマ・ヴァレーで栽培されている固有品種は下記の通りです。
- シロカ・メルニシカ・ロザ
ヴァラ・ヴァレー
ヴァラ・ヴァレーは、バルカン山脈中部の南斜面になる乾燥地帯です。
年間の降水量は約650mlという気候を活かしてブドウを栽培しており、様々なワインが造られています。
ヴァラ・ヴァレーで栽培されている固有品種は下記の通りです。
- ミスケト
- ルカツィテリ
- マブルッド
ヴァラ・ヴァレーで栽培されている国際品種は下記の通りです。
- リースリング
- カベルネ・ソ-ヴィニヨン
- メルロ
トラキア平野
トラキア平野にあるマリツァ川・ヴァレ-は、バルカン山脈の南に位置する地域です。
夏は乾燥し、冬は雨が多い一方で気候は温暖なため、ブドウ栽培に適している地域とされています。
トラキア平野で栽培されている固有品種は下記の通りです。
- マブルッド
トラキア平野で栽培されている国際品種は下記の通りです。
- カベルネ・ソ-ヴィニヨン
- メルロ
黒海沿岸
黒海沿岸は、ブルガリアの東部に位置する地域です。
比較的穏やかな気候という特徴があります。
黒海沿岸で栽培されている固有品種は下記の通りです。
- マスカット・オットネル
- ディミャット
- トラミネナ-
黒海沿岸で栽培されている国際品種は下記の通りです。
- シャルドネ
- ユニブラン
ベッサ・ヴァレー・ワイナリーについて
ブルガリアは東西南北あらゆるところで、様々なブドウが栽培されています。その豊富さは固有品種から国際品種まで多岐にわたり、世界的に有名なワイナリーが多いことも特徴です。
ここでは、ブルガリアワインを造るワイナリーの中でも、世界的に人気のある代表的なベッサ・ヴァレー・ワイナリーを紹介していきます。
ベッサ・ヴァレー・ワイナリーの特徴
ベッサ・ヴァレー・ワイナリーは2001年に設立されました。古くからボルドー系品種が栽培されていたブルガリアの伝統を基盤として展開された『ENIRA(エニーラ)』は、世界中にファンを持つ代表的なシリーズです。ヨーロッパでも随一の名門と呼ばれるハプスブルク家の系譜に連なる、ステファン・フォン・ナイペルグ伯爵から出資を受けたことでも、注目を集めました。
ステファン・フォン・ナイペルグ伯爵といえば、ワイン史において多大な貢献をしており、サンテミリオンのラ・モンドットやカノン・ラ・ガフリエールのオーナーとして、自らが手掛けるワインの品質を世界最高峰レベルまで押し上げたことで有名です。
ベッサ・ヴァレー・ワイナリーを代表するENIRAシリーズ
『ENIRA』シリーズにはメルロー、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルドなど、豊富な品種が使われています。醸造家として、マーク・ドゥウォーキンが招かれ、ナイペルグ伯爵がサンテミリオンで培ったノウハウと哲学を基に、ボルドースタイルのワインを世界に展開中です。
ボルドー好きの方はもちろんの事、飲み手を選ばず誰が飲んでも美味しいと思えるワインが豊富で、価格のリーズナブルさはもちろんのこと、ワインを初めて飲む人も、ワインをずっと飲み続けている人も、垣根なく美味しさを語り合える逸品として愛されています。
ここからは、ベッサ・ヴァレー・ワイナリーを代表する『ENIRA』シリーズの一部として、ここでは下記商品を紹介していきます。
- ベッサ・ヴァレー・エニーラ
- ベッサ・ヴァレー・エニーラ・グランキュヴェ
- ベッサ・ヴァレー・シラー・バイ・エニーラ
- ベッサ・ヴァレー・エニーラ・レゼルヴァ
- ベッサ・ヴァレー・エニーラ・ホワイト
ベッサ・ヴァレー・エニーラ
ベッサ・ヴァレー・エニーラは、「ベッサ・ヴァレー・ワイナリーのワインを語るなら、まずはこれ!」という代表格です。価格帯のリーズナブルさと、味の濃厚さ・酸味・辛味というワインとしての味を決める要素がどれも高い水準で整っています。
ワイン好きも退屈させず、初心者でも飲みやすい果実の濃厚なエキスによるフルーティな口当たりも両立しており、手に取りやすいことも相まって、世界中から人気を集めているブルガリアワインです。
ベッサ・ヴァレー・エニーラ・グランキュヴェ
ベッサ・ヴァレー・エニーラ・グランキュヴェは、味の特徴として、プラムなどの黒色果実や、ミント、バニラなどの風味をバランスよく配合していることが挙げられます。お酒特有のえぐみが少なく、ブドウ本来のフルーティな味わいを楽しめるため、飲んだ後の余韻も長く、ワイン初心者でもしっかりと味の好みを判断できるワインです。
ベッサ・ヴァレー・シラー・バイ・エニーラ
シラー・バイ・エニーラに用いられるシラーは、ベッサ・ヴァレー・ワイナリーが持つ畑の中でもごく一部の土壌でしか栽培されていません。口当たりは柔らかく、飲んでからカシスやブラックベリーなどの黒色果実の酸味と、シラー独特のスパイスのような辛味がエレガントな調和を生み出す、まさに大人の味です。
ベッサ・ヴァレー・エニーラ・レゼルヴァ
ベッサ・ヴァレー・エニーラ・レゼルバは、ブルガリアワインが好きな人なら一度は飲みたいと思ったことがあるでしょう。世界中のワインを総評するワイン・アドヴォケイド誌において、歴代のブルガリアワインの中で最高得点を記録している逸品です。
果実の濃厚な味をベースにしっかりと残しつつ、風味はチョコレートやココアのようなまろやかさを感じます。味・風味・お酒としての刺激・余韻の長さ、どれをとっても高い評価を得られているワインです。
ベッサ・ヴァレー・エニーラ・ホワイト
ベッサ・ヴァレー・エニーラ・ホワイトは、その名の通り、ENIRAシリーズでも数少ない白ワインです。ブルガリアワインの中でも有名なENIRAシリーズですが、赤ワインしかないと思っている人もいるかもしれません。他のワインに象徴される、黒色果実をベースとしたエレガントな赤と濃厚な味わいから一転して、ベッサ・ヴァレー・エニーラ・ホワイトは爽やかな飲みやすさが特徴的です。
洋ナシ屋・アプリコット・マルメロ・ピーチ・ライム・オレンジといった、澄み切った酸味とフルーティな味わいは、ワイン初心者にも敷居の高さを感じさせません。
母の日や父の日などでワインギフトが選ばれる5つのポイント
母の日や父の日、またはその他のお祝いのシーンで、贈り物に何を選べば良いのか、頭を抱える人は少なくありません。その中でも、ワインギフトを選ぶ人が多い理由はいくつかあります。
ワインギフトが贈り物としておすすめできるポイントとして、下記の5点を解説します。
- 高級感がある
- おしゃれである
- 祝いの場を引き立てる
- 複数人で楽しめる
- 長期間保存できる
高級感がある
ワインは古くから愛され続けたお酒ですが、高級感があり、カジュアルなお祝いとは一歩大人に踏み込んだ品格を感じさせます。
母の日や父の日では、「あなたのおかげで、こうしてワインを贈れるぐらい、大人になったよ。ありがとう。」といったメッセージを込めてワインギフトを選ぶ人もいるようです。親にとって、子どもの成長を感じる瞬間が、きっと一番の贈り物かもしれません。
おしゃれである
贈り物としておしゃれさを重視して、ワインギフトを選ぶ人も多いようです。
家族の誕生日など、「今年は祝う相手にとって節目の年だから、普段とは違う物を贈りたい。」というように特別感を演出することもできます。
祝いの場を引き立てる
ワインの特徴として、お祝いの食事会などを格式高く彩る効果が期待できます。家族や友達、恋人など、誰かと一緒に祝うシーンにおいて、ワインギフトを添えてパーティを彩りましょう。
複数人で楽しめる
配送などで贈るギフトもありますが、パーティの場に皆で集まってお祝いをする場面もあるでしょう。ワインは会場が着席でも立食でも採用されるお酒なので、汎用性の高さが選ばれる決め手になることもあります。
長期間保存できる
ワインの特徴として、長期間保存できるという点があります。
贈られた人の好きな時に楽しめるという利点もそうですが、先にワインを贈っておき、会えた時に一緒に飲もうという約束も可能です。
お仕事の都合などで地元を離れていても、母の日や父の日にワインギフトを贈っていれば、帰省した時に親子でお酒が飲めるという楽しみが増えるでしょう。
感謝の気持ちを込めて、こだわりのブルガリアワインをプレゼントしよう!【まとめ】
この記事では、ブルガリアワインの歴史や種類、ブルガリアワインを代表するワイナリーであるベッサ・ヴァレー・ワイナリーのワインについて紹介しました。
お酒は尖った特徴のものも多く、そのこだわりから、万人受けするお酒を見つけるのは一苦労です。ベッサ・ヴァレー・ワイナリーのワインはビギナーから愛好家まで、幅広い層に親しまれる珍しいワインなので、記事を読んで飲んでみたいと感じた人もいるでしょう。
母の日や父の日など、日ごろの感謝を伝えたい人に、特別な想いを込めて、ワインギフトを贈ってみてはいかがでしょうか。
なお、このブログでは「ロマネコンティの当たり年はいつか?」など様々な食品関係の記事を用意してありますので、ぜひ参考にしてみてください。
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